【保護者向け】この練習って意味あるの?と思った時に、紙とペンを用意して読む話

「この練習って意味あるのかな…」

「もうできるようになったから、やらなくていいんじゃないの」

スポーツをしている人なら、一度はこんな疑問を感じたことがあるのではないでしょうか。

 

ジュニアサッカーをしていると、練習してできることが増えるにつれ「この練習って意味あるの?」と思う時があります。

今回は、「この練習って意味あるの?」と感じた時に、論理的に判断する方法について考えてみたいと思います。

 

自分の能力を視覚的に把握する「スキルシート」


スキルシートの印刷はこちら

 

最初に、自分の現在の能力を把握するためにスキルシートとペンを用意します。

項目ごとに現在の自分を採点し、グラフを完成させます。

次に、チームメイトの中で中心となる選手や同じポジションでライバルになっている選手の採点を行います。

 

ジュニア世代子供にとって、当面の目標はチームで一番上手くなることだったり、試合でレギュラーを獲ることになります。

その一歩として、他のチームメイトと比較することで、自分の得意なところと苦手なところを明確にしていきます。

採点の基準はチームの平均を3と考え、それよりも上手い場合は4もしくは5、下手な場合は2もしくは1とします。

したがって、チームの平均的な選手の合計は15となり、合計が15よりも多い場合は結果的にレギュラーとして選ばれる確率が高くなります。

 

ここでの採点基準は、あくまでもチーム内にあるということを忘れてはいけません。

他チームや動画サイトの中には『サッカーが上手い子』はたくさんいるため、ついつい上を目指し過ぎてしまいます。

ジュニア世代で大切なのは、まずは身近なチームメイトやコーチから信頼されることであり、これができなければどのチームに行ってもレギュラーとして活躍することはできません。

 

「あの子はサッカー上手いな」と、チームメイトや指導者、チームをサポートする保護者が無意識に形成する『序列』を上げていく。

そのために、チームメイトのスキルをグラフ化し、目に見えるようにすることで自分のおおまかな立ち位置が分かるようにしておく。

厳しい言葉になるかもしれませんが、競技スポーツとしてサッカーを習い、本気でレギュラーやプロを目指しているならこの感覚は持っておいた方が良いように思います。

 

AチームとBチームを行ったり来たりする選手は、何を練習するべきか。


スキルシートの記入が終わったら、具体的に何が足りないかを見つけていく作業に進みます。

例えば、AチームとBチームを行ったり来たりで、試合にスタメンで出れたとしても途中で交代することが多いという選手がいたとします。

体は大きくないけど足元の技術やドリブルはそこそこできる場合、スキルシートの採点は上記のようになります。

スピードやフィジカル面ではチームの平均以下、テクニックやパスの精度はチームの平均以上、合計するとチームの真ん中くらいの上手さ。

コーチとしては、足元の技術はあるけど試合になると当たり負けするから、中心選手としてはまだ頼りないんだよねという感じです。

 

スピードやフィジカルは生まれ持った体格や伸びる時期が異なるため、個人練習では成長を感じにくいところです。

逆にテクニックやキックに関しては、個人練習でも誰にでも伸ばせる余地があります。

ドリブルやトラップのテクニックを磨き、パスの精度を上げて5点にすることで、スピードがあってフィジカルが強いA君と比べても遜色ない合計点数になります。

これならコーチのファーストチョイスに上がってくる可能性が高くなります。

 

体格面で不安な選手であれば、足元の技術を訓練できるリフティング練習や対面パスは意味のある練習になりそうです。

また、サッカー観戦の回数を増やし、ポジショニングや駆け引きが上手になってくると判断力が付き、「サッカーを知っている賢い選手」としてより重宝されるようになります。

 

一方でスピードやフィジカルに恵まれているけどなかなかレギュラーになれない選手であれば、同じようなスピードやフィジカルの強い選手と何が違うかを確かめるのもひとつの方法だと思います。

もし、スピードを生かすのであれば中央よりもサイドのスペースのほうが有効ですし、背が高いだけでなく体幹も鍛えると当たり負けしない選手になれます。

テクニックやパスの精度が少々悪くても、がむしゃらに前に仕掛けるフォワードや激しく当たってくるディフェンダーは相手にとって厄介な存在です。

もしかしたら自分が希望しているポジションと、自分の特徴が活かせるポジションは違うのかも知れません。

相手にとって嫌な存在になることで、チームに貢献するというのもサッカーが上手くなる方法のひとつだと思います。

 

自分の成長を感じる練習を見つけていこう


ジュニアサッカーでは、時に「体格の差=サッカーの上手さ」と認識される一面があります。

体が大きくて足が速い子がサッカーが上手いとされ、レギュラーになりやすいというケースです。

フィジカル面で優れている選手は、体が激しくぶつかり合うサッカーにおいてはあらゆる局面で有利に働きます。

対戦相手に背の高い選手がいるとそれだけで圧倒されますし、背の高く足が速い選手が味方にいることで攻撃面だけでなく守備面でも安心感があります。

 

この事実は、体が小さい選手や早生まれの選手にとってなかなか受け入れがたく、なぜ自分が試合に出れないのだろうと感じてしまうように思います。

保護者としてもその事実を理由に、試合に出れない現実を「仕方ないよね」と受け止めてしまいがちです。

こういったある種あきらめに似た感情は、個人だけでなくチーム全体に影響することがあるため注意が必要です。

 

強豪と呼ばれるチームは、誰かがグッと成長すると、その成長に気付いた周りの選手が負けたくないと思うことで奮起し、常に成長のバトンが循環しています。

逆にこの成長の循環が止まっているチームは、チーム全体の力がなかなか上がってきません。

そのためには、自分の成長だけでなくチームメイトが「あいつ成長しているな」と感じられるチーム状態になっていることが重要になります。

 

サッカーが上手くなるために、リフティング練習って必要なの?


ジュニアサッカーでよく語られる疑問に、「サッカーが上手くなるために、リフティング練習は必要か?」という問があります。

これは指導者の中でも意見が分かれていて、ボールタッチが上手くなるから必要という人もいれば、試合でリフティングは使わないからできなくても良いという人もいます。

確かに、リフティングが得意でないプロ選手もいますし、何回以上できれば合格という基準もありません。

 

試合で使うことがなく、ゴールが見えない練習を本当にする必要があるのか。

頭の回転が良い子供なら、そう考えてしまうのも仕方がないのかもしれません。

私たちは、リフティングを『よりサッカーを楽しむための技術』と考えています。

できなくてもいいんだけど、できるようになるともっとサッカーが楽しくなる技術だよと伝えています。

 

リフティングは1対1でボールと対峙するため、自分の起したアクションがすべてボールに反映していきます。

誰かを頼らずに自分だけで始められるリフティングは、気が向いた時に気が向いただけできるありがたい練習です。

「右足の調子が悪いな」「今日は体が重いな」と、リフティングをしている時間は体の感覚を確かめる時間にもなります。

そうしたボールを介して自分の体と対話していくことが、コンディションを把握したり、感情をコントロールすることに繋がっていくように思います。

 

練習の意味や意図が分かると、練習が楽しくなる


ジュニアサッカーでは、練習の意味や意図を理解しないまま毎日のように同じ練習を繰り返しているケースが少なくありません。

ランニングをして、リフティングをしてマーカードリブルをして、シュート練習をする。最後にミニゲームをして練習が終わる。

体を動かしてボールを蹴る回数を増やすことで、少しずつ上手くなっていくと思ってしまいがちです。

 

ついつい忘れてしまいがちですが、日頃行っている練習にも、ひとつずつコーチが考えた意味や意図があります。

コーチはさりげなくその意図や意味を伝えているものの、本当の意味で理解している選手は多くありません。

なぜなら、各選手それぞれで持っているスキルが異なり、意識したり伸ばすべきポイントが変わってくるからです。

 

もし、あなたの子供がリフティングが1000回できるのであれば、回数を伸ばすことよりも色々な箇所を使ったり技を組み合わせることで、ボールフィーリングを高める練習と捉えた方が良さそうです。

もし、あなたの子供がスピードがあって体が強いのであれば、マーカードリブルでボールの置き場所やコース取りを意識するとその特徴がさらに活きてきます。

もし、あなたの子供がシュートが下手で体力がなくても、体幹トレーニングをすると強く当たられてもボールが取られない選手になるので、チームにとっては不可欠な選手になっていきます。

 

ジュニア世代の面白いところは、一見弱点に見えるところも時が経つといつの間にかその選手の長所に変わっていくところです。

男子に比べると体力的に劣ってしまう女子選手が、ポジショニングに優れていたり、パスやトラップが上手くなっていくのはそういう背景があるからかもしれません。

しかしながら、多くの選手は練習することを目的にするあまり、自分の強みや弱み、自分がチームでどのくらいの位置にいるのかが見えていないことがあります。

保護者ができることは、ひたすらに背中を押したり静かに見守るだけでなく、時には紙やペンを使って論理的にわかりやすく伝えることも必要であるように思います。

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