【ジュニアサッカー観戦の疑問】なぜ、試合の出場機会を平等にするのが難しいのか<後半編>

『育成年代の出場機会を増やし、試合の経験を重ねることが選手の成長につながる』

指導者の誰しもがそう願っているにも関わらず、ジュニアサッカーの現場では『試合出場の平等化』を求める声が後を絶ちません。

それだけ「試合にもっと出たい」「試合に出る選手に偏りがある」と感じている選手や保護者が多いからだと思います。

 

前編では、なぜ、試合の出場機会を平等にするのが難しいのかについて、ジュニアサッカーの現状を踏まえながら考えてみました。

後編では、『出場機会を増やすこと』『出場機会の平等化』について具体的にできることがないかを掘り下げていきたいと思います。

全員が納得する仕組みをつくるのは難しいかも知れませんが、現状を良くする努力はできるところがありそうです。

引き続き、チームに関わる人を指導者、選手、保護者に分けて、それぞれの視点から考えてみたいと思います。

【ジュニアサッカー観戦の疑問】なぜ、試合の出場機会を平等にするのが難しいのか<前半編>

 

出場機会を増やすためにできること


「選手全員の出場機会を増やしたい」というのはどの指導者も望んでいることです。

しかしながら、その裁量は指導者個人に委ねられており、チームによって差があることも確かです。

選手全員の出場機会をより増やしていくのであれば、対戦相手も同じルールするのが一番効果がありそうです。

 

JFAが管轄するチビリンピックでは、12分3ピリオド制が取られており、第1ピリオドと第2ピリオド間では選手を総替えするルールになっています。

また、静岡県サッカー協会では、出場機会確保のためにU9-U-12のリーグ戦で全員出場することを定めています。※強制ではなく努力目標

このように、試合を主宰する側がルール化して、同じレギュレーションで戦うと交代しやすくなるように思います。

 

仲の良いチームであれば、経験を積ませるために「セカンド中心でやりましょう」と事前に指導者間で相談することもあります。

ただし、あまり対戦したことがないチームだったり、そもそも人数が少ないチームだと難しそうです。

また、ベストメンバーで挑んだ試合で、相手が明らかなセカンドメンバーだった場合は、格下に思われたのではと疑ってしまうかもしれません。

その他、チーム単体でできることもあります。

試合の位置付けに応じて、全員出場をルール化していく方法です。

例えば、練習試合や定期開催するカップ戦であれば、経験を積むためにどんな状況でも全員に出場機会を与える。

公式戦や大きな大会は、試合に臨む姿勢や勝敗を重視し、選抜メンバーを中心に出場するといったルールです。

 

このようなルールが共有されていると、全員出場するしないに関係なく、気持ちの折り合いが付けられるように思います。

地域に密着したスポーツ少年団や父兄ボランティアで運営されているチームは、こういったルールの下に運営されているところがあります。

飛び級(上の学年の試合に出る)している選手がいるチームや、全小のような一度しかない公式戦は、出る出ないの境界線が難しいところですが、チーム方針が存在しているのであれば遵守する努力をしていくべきです。

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選手は平等に出たいと思っているのか?


子供たちは、指導者や保護者が思っているよりチーム内の序列を把握しています。

「あいつが出たから次は俺だな」「試合に出るにはこいつに負けないようにしないと」

こんな風に、ポジションやレギュラーサブの序列を気にしながらプレーしています。

 

その序列は表立って出てこないものの、チームに関わる人が何となく感じている序列と大きく変わりません。

したがって、明らかに自分の調子が悪かったり、実力が足りていない試合に出るのは、選手自身も周りも望んでない場合があります。

苦手なポジションで出場したり、実力差がある選手を相手にすることで自信を失う可能性があるからです。

 

子供自身がコンディションが良いと感じている日や、今日は活躍しているなと思う日に出場時間が増えていく。

そんな仕組みの方が、自信や成長に繋がるように思います。

 

保護者は子供の出場機会が増えれば納得するのか?


レギュラーでない子供の保護者にとって、出場時間はとても気になるところです。

ともすると、「あの子よりも出てない」「あの子ばっかり出てる」と、出場したかどうかに目が行きがちです。

本来なら、試合で活躍する、チームが勝利することが目標であるにもかかわらず、チームメイトより試合に出ることが目標になっています。

こうなると、先発や途中出場して回数が増えたとしても良い結果が出ないように思います。

 

おそらく多くの保護者が望んでいるのは、試合に出た子供がのびのびとプレーし活躍することだと思います。

例え負けたとしても、練習してきたことが発揮できれば次に繋がっていくからです。

そのためには、短い時間の中でも自分のプレーに集中して、得意なプレーを出さなければなりません。

そして保護者は、子供の得意なプレーを把握し、そのプレーが試合で出たかどうかを確認する必要があります。

 

得意なプレーが成功すると自信につながりますし、指導者が選手のストロングを把握しやすくなるからです。

そうなるってくると、指導者が選手交代を考えた時にファーストチョイスとして上がりやすくなると思います。

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その指導者が一番伝えたいこと、は何か?


おそらく、指導者が大切にする信条は、練習から子供たちに教えていることであり、そのクラブの伝統にもなっているように思います。

試合に出る時間が少ない選手は、その『指導者が一番伝えたいこと』ができていない可能性があります。

サッカーはチームスポーツであるが故に、一人ができていないと全体に影響が出ます。

自分の子供が『指導者が一番伝えたいこと』を理解しないがために、試合内容を悪くする原因にならないようにしたいものです。

 

もし、自分の子供ができていなかったとしても、指導者は毎回そのことを言ってはくれません。

そのため、できていないことに気付かないままベンチに座り続けている選手が沢山います。

それを避けるには、指導者がどんなプレーを望んでいるのか、どんなプレーに対して檄を飛ばすのかを理解しておく必要があります。

指導者が求めるプレーをするために、選手個人がしっかり準備をしなければならないということです。

 

パスワークを信条とする指導者なら、簡単なパスミスやトラップミスを繰り返してはしてはいけません。

ハードワークを信条とする指導者なら、走り切る体力や気持ちのこもったプレーがなければ納得しないと思います。

せっかく観戦に行くなら、そういった視点から子供たちにアドバイスをしてみるのも良いのではないかと思います。

 

10回の練習より、1回の試合の方が成長する


レギュラー争いの話は、サッカーに限ったことではなく、あらゆるスポーツの現場で行われています。

野球やバスケットボールなど、試合に出場できる人数がサッカーより少ないスポーツもあります。

 

試合に出られない時間は、本人だけでなく家族にとっても我慢が必要な時間です。

「そんなに悩むなら、試合のないスクールに行ったら?」「楽しくサッカーした方が良いよ」と助言する人もいます。

確かに、対外試合のないサッカースクールなら、ある程度平等に対戦形式のゲームを経験することができるかもしれません。

 

しかしながら、冒頭で触れたような奇跡的な試合は、選手が本気で戦うガチンコの試合でしか生まれないことも事実です。

そういった指導者や保護者の琴線に触れる試合は、1回の試合で選手を大きく成長させてくれます。

その成長は、いつもの合同練習や自宅の自主練習では得られないものであり、選手だけでなく周りの人を幸せにしてくれるものでもあります。

 

周りの人が幸せになる試合は、選手全員が「絶対に勝ちたい!」と願い、指導者、選手、保護者の気持ちが一つになった時に生まれます。

選手全員が最高のプレーを連発し、お互いのミスをカバーしながら、大きな波になって強い相手を飲み込んでいく。

そんな生涯のベストマッチとなる試合にするには、チームに関わる全員が、サッカーを好きでいなければならないと思います。

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