湿気が溜まりやすい部屋を、パイプファンを使って手間をかけずに換気する方法

 

「家の中に湿気が溜まりやすい場所がある」

「風邪と感染症対策のために部屋の空気の入れ替えをしたい」

「換気で窓を開けておきたいけど、防犯面が心配」

 

マンションのように密閉性の高い住居に住んでいると、湿気や空気がどうしても溜まりやすい場所ってありますよね。

使用頻度が低かったり日当たりが悪いと、知らない間に壁紙が剥がれたりカビが発生することがあります。

最近の新築住戸は24時間換気システムが設置されていますが、冬場は寒かったりピンポイントな場所の換気ができないという欠点があります。

できれば、指定した場所で、都合の良い時間だけ、手間をかけずに換気できる方法があるとしたら便利だと思いませんか。

 

今回は、そんなわがままを盛り込んだ換気方法がないか考えてみました。

なるべく手間をかけないということをポイントに、業者に頼む必要のない、DIY初心者やお母さんでもできる内容にしています。

 

自分にとって『ちょうどいい換気』の目指すところ


ネットや動画を調べると、様々な湿気対策や換気方法が見つかります。

しかしながら、「これいいかも!」と思う一方で、「ここはちょっとね」と気になるところも出てきます。

住む人によって希望する条件が異なり、ばっちり当てはまる方法がなかなか見つからないからです。

そこで、ゴールを明確にするために、自分にとって『ちょうどいい換気』の条件を書き出してみました。

 

  1. 除湿ではなく換気を重視する
  2. 使用時や防犯面で安全であること
  3. 部屋がおしゃれに見える(違和感がない)
  4. 手間やランニングコストがなるべくかからない
  5. 初心者・お母さんができる範囲のDIYである

 

湿気対策と言えば除湿剤や除湿器が思いつきますが、水を捨てたり都度移動させたりと継続的に使うには意外と手間がかかります。

そのため今回は除湿ではなく、小さい子供でも手軽にできる換気に比重を置いてみました。

また、窓を開けて換気をすると防犯面が気になるので、不在時でも安全にできる方法であること。

なおかつ、何かを買ったり移動させたりといった手間や、ランニングコストがなるべくかからない方法で考えてみました。

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給気口とパイプ用ファンを使った緩やかな換気システム


自分が希望する条件と見つかった換気方法を照らし合わせてみた結果、給気口とパイプファンを使った換気を採用することにしました。

湿気が気になっていた場所にたまたま給気口があったのと、パイプファンを壁付けにできるので邪魔にならないだろうと思ったからです。

電源を付けるだけで窓を開けずに湿気を排出できますし、ポツンとある給気口の蓋が隠れて見栄えが良くなりそうです。

 

また、気になった時に手軽に換気ができる、消すのを忘れていたとしてもそんなに気にならないという緩さが自分に合っていそうです。

24時間付けっぱなしで年間約500円と、エアコンや扇風機よりランニングコストが安いことも決め手になりました。

気になる設置方法ですが、給気口の直径はφ100mmで市販のパイプ用ファンが使えることが分かりました。

また、電源コード型のファンなら電気工事士の免許がない人でも設置できるため、DIYの範囲で完結しそうです。

できれば配線が見えないようにしたいところですが、継続して使うかどうかわからないのでひとまずコードを壁に沿わせることにします。

経験の少ない人がするDIYは、途中で元に戻す可能性があることをイメージしながら設計するのが大事なように思います。

 

1.イメージを具体化して、作業工程や必要な材料を書き出す


次に全体のイメージを具体化しながら、作業工程や必要な材料を書き出していきます。

早速作業に入ってしまいがちですが、実はここの準備をしっかりすることが大事です。

 

ファンを設置したい部屋には、エアコンの配管穴と給気口の2つの穴が開いています。

ただし、エアコンの配管穴は既に使用しているため、今回は給気口を使うことにします。

パイプファンの大きさが合えば、エアコンの配管穴電源のほうが電源の場所が近くて使いやすいと思います。

 

注意したいのが、ファンを動かすとある程度の音がする点と、また風向きによっては外気が入って寒く感じるという点です。

ベッド近くや風上になりやすい部屋は、この方法を避けた方が良さそうです。

この部屋は給気口の下にコンセントがあるのですが、測ってみると付属の電源コード(60cm)では届かないことが分かりました。

そこで、エアコン側コンセントからカーテンレールの上に沿って延長コードを伸ばし、電源を取ることにしました。

距離は長くなりますが、カーテンレールで配線がほとんど見えなくなり、結果的に下に垂らすよりも見栄えが良くなりそうです。

配線のイメージが決まったら、必要となる延長コードの長さを測りメモしておきます

考計組用(こう・けい・そ・よう)

 

2.イメージに合う材料を選ぶ


・給気口のサイズに合うパイプファン

今回は換気口が隠れるデザインで絞り込み、三菱電機の角型ファンを選びました。

表面が格子や網になっていると、外気が入りやすく溜まった埃が見えるのが嫌だなと思ったからです。

表に出る部分が16cm×16cmで厚さが5cmとスリムな形である点、静音羽根搭載で騒音を抑制している点も採用した理由です。

より詳しいスペックやサイズは、三菱電機のHPで確認できます。


三菱電機 (MITSUBISHI) パイプ用ファン V-08PX7
(amazonより)

 

本来なら本体に電源スイッチの付いたタイプが良かったのですが、工事免許のいる速結端子接続型しか見つかりませんでした。

色んなデザインがあるのでこの辺りは好みですが、パイプ径と電源タイプ、必ず排気型であることを確認して購入してください。

間違って給気型にしてしまうと部屋に向かって空気が入ってきます。


三菱電機 (MITSUBISHI) 24時間換気機能付パイプ用ファン V-08XPLD3
(amazonより)

 

・延長コード

電源の位置にあわせてサイズの合うものを選びます。

今回はメモを見ながら2mのものを購入。


BUFFALO 電源延長ケーブル 2m ホワイト BSTAPEX20WH(amazonより)

 

・スイッチ付電源タップ

購入するパイプファンにスイッチが付いていないため、延長コードの先に付けてスイッチ代わりにします。

ファンの電源プラグがL型なので、それに合うように表面に差し込み口があるタイプを選びます。

この辺りはコードがなるべく壁に沿うように、接続部の組み合わせをイメージしながら選んでいきます。

スイッチ部分にLEDが入っていると、電源が付いていることが一目でわかりやすく便利です。


ヤザワ 雷サージ付省エネタップ2個口白 Y02FUSK210WH(amazonより)

 

ネットを探していくと延長コードとスイッチが一緒になっている1つ口のものがありました。

スイッチが常時見えなくても良いなら、こっちの方がすっきりするかも知れません。

Panasonic ザ・タップスイッチシリーズ(1コ口)WHS2611WKP(amazonより)

 

3.給気口を外して、パイプファンを取り付ける


イメージに合う材料が揃った所で、実際にファンを取り付けていきます。

まずは、今付いている給気口を外すところから始めます。

壁を傷つけないように養生テープを貼り、給気口の周りのコーキングをカッターで切っていきます。

刃物を使う時は必ず軍手や保護グラスをしてください。

コーキングを切るとスポっと外れそうなのですが、なぜかピクリとも動かずここで作業が止まってしまいます。

中央のパイプとジョイントしている爪を外しても動かないところを見ると、図のオレンジの部分が接着剤で留められているようです。

給気口を外すことはめったにないため、中がどうなっているかが分からず、外し終わるまでかなり時間がかかってしまいました。

石膏ボードを壊さないように当て木をし、自転車用のタイヤレバーを差し込んで、てこの原理ででグイグイと剥がしていきます。

こういったDIYは強引にやろうとすると、周りの壁を傷めてしまったり、力を入れすぎて怪我をしてしまうことが多いので注意してください。

給気口が外れたら穴の中を軽く掃除して、パイプファンを取り付けていきます。

電源コードの向きを確認しながら差し込むと、いい感じでスッポリはまりました。

平行を確かめた上でネジ位置をマーキングし、石膏ボード用のボードアンカーを打っておきます。

ファンの付属品はネジだけなので、アンカーは作業を始める前に購入しておきましょう。

ファンの取付けが終わったところで、一度電源を付けてみます。

ブーンという音がして、ファンが回り始めました。

手を近付けると、確かに室内の空気が外に排出されています。

DIYをしていてちょっとうれしい瞬間ですね。

付属のカバーを取り付けて、もう一度空気の流れや騒音、見た目のバランスを確かめてみました。

エアコンや扇風機と違って、ファンを動かしても部屋の空気が動いている感じはしませんでした。

ただ、ファンの近く特に壁際に行くと、スーっと風が動いているのが分かります。

また気になっていた騒音は、「ブーン」という音はするものの扇風機と同じくらいなので、寝る時以外は気にならないかなという印象です。

外出している時やあまり使わない部屋で回しておく前提なら、全然問題なさそうです。

最後に電源コードと延長コードが浮かないように、コードクリップで配線を整えていきます。

プラグの接続部も凹凸に沿って、イメージ通りスッキリ収まりました。

細かいところですが、こういった所をきっちりすると見栄えが良くなります。

また、カーテンレールの上に置いた電源タップは、部屋に入った時に電源が入っているかが一目で分かる向きにしました。

音がうるさいなと思ったり、窓を開けて換気する時はスイッチを切ればよいので、やっぱりスイッチは必要だなと思います。

 

作業工程はそんなに多くないものの、給気口を外すのに苦戦したため結局全部で3時間くらいかかってしまいました。

そこがスムーズに行っていれば、掃除や片付けを含めて1時間くらいでできると思います。

配線の設計が曖昧だと材料を買い直さないといけないので、ファンの大きさに近いものを置いてみたり、配線を紐でシュミレーションしてから購入した方が間違いがなさそうです。

 

かかった費用は、パイプ用ファン、延長コード、電源タップ、ボードアンカー、コードクリップなど全部ネットで揃えて5千円くらい。

今回は100均や手持ちの材料を使ったので、もう少し安く仕上っていると思います。

 

心地いいすきま風で、空気を入れ替える


湿気が溜まりやすい場所は、部屋の隅や納戸の中など空気が動きにくい場所が多いと思います。

換気口やエアコンの配管穴はそういった場所にあることが多いので、ピンポイントに換気がしたい場合は今回の換気システムは役立ちそうです

特にエアコンを付けていない部屋は使用頻度が低くなるので、ファンを1台付けておくとカビが生えたり匂いがこもったりしなくなると思います。

 

生活しているとなかなか気付きませんが、空気ってちょっとだけ動いているほうが心地よかったりします。

湿気が高いと空気が肌にまとわりつくように感じたり、密閉された部屋に行くと息苦しく感じるのもそのためです。

 

今回の換気システムは、結果的にすきま風発生装置のようなものになりました。

湿気が多い日本の住居は、木と紙であえてすきま風をつくることで長持ちさせてきたと言われています。

技術の進化により、年々家の断熱性が高くなる一方で、シックハウスや結露による体の不調が生まれているのも事実です。

快適な空間をつくるには、それぞれがバランス良く絡み合った『いい塩梅』が必要なのかもしれません。

今回DIYした換気システムは、除湿という面ではエアコンや除湿器に遠く及びませんが、心地よく空気を循環させるという面ではこれから活躍してくれそうです。

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